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林業研修記 2024春 ~生きる力を感じる~ 

こんにちは。
先日、ボー・デコールのスタッフで8年目となる林業研修として、阿賀町のボー・デコールの森へ行ってきました。
本日は2024年春の林業研修レポートになります。

5月下旬でしたが快晴で暑すぎず、森林浴が気持ちよく感じられる1日となりました。
やはり森の中は空気が違います。呼吸をするだけで非日常を感じられるのは毎度のことですが感動します。
農林公社の方々にサポートをいただきながら作業を行いました。
いつも丁寧にご対応いただきましてありがとうございます。

今回の林業研修では「生きる力」を強く感じました。
その気づきについてもお話させていただこうと思います。

作業としては、枝打ち・クマ剥ぎ除けのロープ縛りになります。前回もロープをしっかり巻いてきていますが、クマ剥ぎされた木の多さに衝撃を受けました。


まずは「枝打ち」。

 


立地が斜面であったり、木が密集していることで太陽光が当たらず枝をたくさんつけたり、暴風による傾きでしょうか。真っすぐに立つ木より曲がった木がたくさんあります。

自然の過酷さと、太陽光を浴びようと必死に伸び生きようとする力強さを感じました。
樹木は、人間よりはるかに永い年月を経ることで大木に育ちます。
永い年月と簡単に言えないほど天候は容赦ないでしょうし、クマの被害にあったり大変なことです。
家具や建築の材料を作れるようになるには、針葉樹で40~60年、広葉樹では80~100年になります。私たちが普段感じているつらさなど小さなことかもしれませんね。


そして「クマ剥ぎ除けのロープ縛り」。

クマ剥ぎとは、クマ(本州ではツキノワグマ)が5月下旬~7月下旬にかけて太い幹の木の皮を根元から1~2mのところを剝ぐ行動のことです。


爪痕がびっしりついた太い幹がたくさんありました。剥がされた幹の色が鮮やかなものは1週間も経ってはいないとのことです。

【クマ剥ぎの理由】
・縄張りを宣言するため
・不足する食糧補充
・母親から子供に習性が受け継がれる
・針葉樹のにおいが好き
などが挙げられますが、豊富になってきたスギを食料としていることも考えられます。

木は全周を剝がされると1~2年で赤く枯れてしまいます。
何とか枯れずにいても、材が変色・腐朽し木の価値は低下してしまいます。


折角ここまで育った木がもっと育つためには、これ以上被害を受けないように対策が必要になります。

【クマ剥ぎの対策】
・除間伐・枝打ちの実施→風通しをよくすることで林に入りにくい
・枝置き→根元に枝打ちした小枝を敷きつめることで木を剥ぎにくくなる
・ロープ巻き→成長してもロープに食い込む事がないように「わな結び」で巻く

木を守るために行うことですが、クマも生きるために必死なのだなと感じます。

その他にも、道を塞いでしまう木を伐採していただいたりしました。
さすがにこの太さを手ノコギリはどれくらいかかってしまうか分かりません。


切り口にはその木の人生が刻まれています。
ただ静かに耐えながら、それでも屈せず伸びていく。「生きる力」を見せつけられた気がします。

帰りに、スタッフお勧めの「天然記念物 将軍杉」を見に行きました。

樹齢1400年、高さ40m、幹周り19.31mは日本一の太さになります。
新潟にこのような飛鳥時代から生き続けている樹木があることを知らなかったので感動しました。
生命力あふれる巨木からパワーをいただき、真っすぐへこたれずに生きていかなければと決意いたしました。


今回も気持ちの良い汗を流し、素晴らしい自然とともに生かせていただいている有難さを感じられる1日となりました。
この自然を直に感じられる家具を私たちは取り扱っているという責任を忘れないようにしなければなりません。

私たちはこれからも家具を通して、木の持つ力や癒しだけでなく、力強く生き抜いたからこそ長く使い続けられることの素晴らしさを皆様に伝えていこうと思います。

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