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林業研修記 2024秋 ~初めての森~

こんにちは。
いつもボー・デコール新潟店のブログをご覧いただき、ありがとうございます。入社5ヶ月目のスタッフです。
先日、年に二回行っている林業研修に初めて参加してきました!

まだまだ勉強中である私が林業研修で行ったこと、感じたことをお伝えさせていただければと思います。最後までご覧いただけると嬉しいです。

森

ボーデコールは2016年から林業研修として杉の森を育てるお手伝いをさせていただいております。
長年、木の家具をこだわってご紹介しているボー・デコール。
私たちのもとに届く家具に使われている木がどのような過程で育っていくのか、林業研修では学びます。

11月下旬。
雨予報もあり、雪が降るのでは?と心配していましたが、見事に快晴!
肌で感じる空気はひんやり冷たいですが、澄んでいてとっても気持ち良い…。
新鮮な空気に包まれ、何度も深呼吸をしてしまいました。

森

今回も農林公社の方にサポートをしていただきました。
道具の使い方から注意点、森の入り方など、教えていただきます。
ご丁寧にご指導くださり、ありがとうございます。

農林公社の方からご指導いただく様子

まずは準備運動をしっかりと行い、身体を温めます!

準備運動

いよいよ森に入っていきます。
森へ入るには急な斜面、足元も不安定でどこから、どのように入れば良いのか…
迷った結果、先輩スタッフの後をついていきます。

森へ移動中

今回の研修では「枝打ち」「間伐」「熊剥ぎの対策」を行いました。

作業①枝打ち

枝打ちとは木の成長過程で育ちの悪い枝や枯れた枝を、一定の高さまで伐り落とす作業です。
目的は木材を「無節(表面に節がない状態)にする」「真っすぐな木を造る」など、木材の商品価値を高めること。

枝打ちを行うスタッフ

ノコギリを使用して1本1本伐って落としていきます。
まずは先輩スタッフのレクチャーを。
先輩スタッフはみんな林業研修のベテラン!慣れた手つきでびっくりです。

枝打ちのレクチャーを受ける様子
▲枝打ちを教えてもらっています

枝打ち作業にあたっては、幹に傷をつけないように注意しなければなりません。
幹に傷がつくとそこから内側に変色が生じて、材の価値を下げてしまいます。

枝打ちをした木
▲枝打ちした後の様子

作業➁間伐

間伐とは森や林の木を伐り倒し間隔を開ける作業です。

間伐が行われ手入れの行き届いた森は、幹が太く根をしっかりと張った木が育ちます。
また、森林内に光が入り草や低木が育つようになり、さらに土壌の流出を抑えて土砂災害を防止することにも繋がるので、森や林を守り育てるために欠かせない作業です。

せっかく育った木を伐り倒すのは心が痛みますが、これも森や林を守り育てるため。

間伐

上部が折れ、隣の木に寄りかかり成長を妨げてしまっていたこの木を倒していきます。
風などのダメージで折れてしまったのでしょうか。

木

切れ込みをノコギリで入れる様子

切れ込みが入りました
▲木を倒す方向が決まったら、まずは受け口を入れます

間伐
▲ノコギリで伐りやすくするため、木を倒す方向に押します

伐れた木

大きな木はスタッフ総出で!

木を狙った場所に確実に倒すため、ロープを使って引っ張ります。
私たちのいる方向に倒れてこないように、他の木を通して安全に。
絵本の「おおきなかぶ」のひと場面のようですね。

間伐作業

間伐作業

ここまで太い木をノコギリだけで…!
達成感がすごいです!

間伐作業

作業③クマ剝ぎ対策

「クマ剝ぎ」とはクマ(本州だとツキノワグマ)が春~初夏にかけて木の外皮を剝ぎ、木部と外皮の間にある形成層を食べる行動です。外皮を剥がれた部位から木材腐朽菌が侵入すると、木材として利用することができなくなってしまいます。

初めて間近で見たクマの痕跡は迫力があり、圧倒されました。

熊剥ぎ

熊剥ぎ

熊剥ぎ
▲クマ剥ぎされた木

対策①
木の根元に枝打ちや間伐した木を置く。
そうすることでクマが木を剝ぎにくくなり、諦めるそうです。

熊剥ぎ対策

熊剥ぎ対策

対策②
ロープを巻く。
木の成長に合わせて緩んでいく「わな結び」で巻きます。

ロープ巻き

ロープ巻き

私たちが研修を行った森でも、たくさんの木がクマ剝ぎの被害に遭っておりショックを受けましたが、森の奥に進んでいくと無傷の木がまだまだたくさんありました!嬉しい!

ロープ巻き

ロープをクマが届きそうな高さまでしっかり結びます。
どうかこのロープがクマから木を守ってくれますように。まるで、お守りのようですね。

作業中はクマに遭遇しないよう、音やBGMを鳴らしていました。
無事にクマに遭遇することなくも怪我もなく研修を終えることができ、一安心です。

森で集合写真

今回初めて林業研修に参加させていただき、
私の中の変化の一つとして、まず木材への見方が変わりました。
私はボー・デコールに入社するまで、木は勝手に育つものだと考えており、ここまで人の手を加えることが必要だとは知りませんでした。
何気なく使っていた木のテーブルや椅子が、私のもとにやってくるまでたくさんの人に守られていたこと。厳しい自然の中で強く、たくましく生きていたこと。それを知り、今までにはなかった新たな愛着が湧き、そのような素晴らしい家具に囲まれていることを誇りに思いました。そして、それを長く大切に使っていくことが森と共に生きることに繋がるのだと強く感じます。

森

森
▲ムラサキシキブが可愛い実をつけていました

森

この貴重な体験を活かし、これからお店を通して木材の魅力をお伝えできるように励んでいきたい、そう思った林業研修でした。
素晴らしい自然が身近にあることへの感謝を忘れずに日々過ごしていきます。

次の研修は半年後。森がどのように変化をしているのか、今から楽しみです。

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