こんにちは。
先日、阿賀町にある「ボー・デコールの森」で恒例の林業研修を行いました。
2016年から続けている林業研修も8年目になりました。
林業研修では、木を育て森を作ることや林業という仕事について考えたり体感し、お客様へ木について・家具についてより伝えていけるように学びます。
ここ数日、気温が下がり天候の悪い日が続いていたので、かなりの寒さと雨を心配していましたが、快晴でとても気持ちの良い一日になりました。
日頃の行いがよいからでしょうか。
参加するスタッフは皆元気いっぱいで臨みます。
今回は、午前午後を通して、枝打ち・間伐・熊よけを行います。
定期的に森に入ってはいますが、あっという間に木が育っているように感じます。
全国的に熊が出没しているニュースを聞いていますので、鉄砲や爆竹を鳴らしたりして人間の存在を知らせます。
何度か林業研修を体験していますが、毎回、山へ入る前は注意事項を確認しどこを切っていくか確認してからになります。
基本の徹底は大事ですね。
「ボー・デコールの森」では、杉の木を育てるため密集しすぎているところやかなり湾曲してしまっているものを間引いたり、枝を払ったりしています。
家具材として使われる広葉樹はここでは残念ながら間引きします。
木を育てると言っても勝手に育つのでは?と思われますよね。
もちろん何もしなくても育つには育つのですが、使える木材として大きく育てる・森を育てるということになると手を入れることが大事になります。
そうやって手を入れた森は太陽の光が隅々まで行き渡り、木は真っすぐ美しく育っていきます。
細い木でも詰まっている木は固く、ノコギリで切っていくのは大変です。
ノコギリは引く時に切れるのでおがくずが出るのですが、このおがくずがとても細かいため、どれだけ詰まっている木なのかが分かります。
真っすぐ伸びている木は少なく、どれも傾斜に合わせて湾曲しているため、どこに切り口を入れるかも考えないと倒木もうまくいきません。
切るだけでなく、森を育てるため、木を育てるためにはどれを選ぶかを考える必要があります。
未来を想像しながら今を考えることは、どんな仕事でも大切なことですね。
また、熊が麓まで降りてきて木の皮をはがして樹脂を食べるため「熊よけ」をしなければなりません。
「熊よけ」は木の成長に合わせて緩むように、ロープを結んでいきます。
熊が立ったときに手が届くくらいの高さと、下の方にも結び付けます。
倒木した木の枝を細かく切り落とし、葉を根元に積んで置くことで熊が嫌がるそうです。
こんなに道路に近いところまで降りてくるのはよほど食べ物に困っているのでしょうか。
なるべくお互いに出逢わないように、みえない境界線としての役割もあります。
いつもより熊に警戒をして、大音量で音楽を流しながら作業を行いました。
これが何とも楽しくて、皆で笑いながら歌いながら楽しい時間になりました。
森の空気は自然のかおりがします。
木を切った切り口からも落ち葉の重なった土からも心地よいかおりは私たちを癒してくれます。
また、湿った落ち葉が重なって、切り落とした枝も土に帰り土の養分となります。
森にいることで自然の循環を感じます。
私たちは大事に育てられた木材を使った家具をお客様へ案内しています。
こうした背景を知ってお客様へお伝えすることは、国産材をもっと使っていきたいと願う日本の未来のためにとても重要なことだと思っています。
国産材を使うことが増えるということは林業を活性化し、また新しい森を育てていけることにもなります。
50年、100年後の未来のために、こういった研修を体験しお客様へお伝えしていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。