こんにちは。
7/13(土)から初めての上越市でのイベント「世界の手織りじゅうたん展」が始まりました!
今回のイベントのテーマは「人生が変わるじゅうたんとの出逢い」
今回のイベントでは世界の絨毯を揃えましたが、その中でペルシャ絨毯に注目してご紹介いたします。世界の絨毯で最も知名度が高いと言っても過言ではないのがペルシャ絨毯です。
そもそもペルシャ絨毯とはどんな存在なのでしょうか。ペルシャ絨毯との出会いで人生が変わるとはどういうことなのか。この奥深い歴史ある絨毯をご覧いただく際の楽しみ方についても一緒にお伝えしたいと思います。
ペルシャ絨毯とは?
ペルシャ絨毯とはイランの手織りじゅうたんのこと。
イランは、国土が日本の面積の4倍半と言われ、内陸部は極度に雨の少ない乾燥地帯。周りを高地に囲まれた高原の国で標高が平均700mを越え、中央部には砂漠や塩湖が広がっています。昼と夜、夏と冬の気温差が非常に大きく、降雨量が極度に少ないのです。
そして、人口の99.4%(2021年現在)がイスラム教徒であり、民族・言語・宗教・生活形態のいずれも複雑多様ながら共存しています。イスラム教徒(ムスリム)の方たちの信仰を芸術的な表現で美しく織り上げたペルシャ絨毯。それは最も歴史が古く、完成度の高い洗練されたデザインで今日までも継承されているものもあります。
このペルシャ絨毯の文様を「特別」に感じる方も多いのではないでしょうか。
ここで言う「特別」とは、意匠(モノの形や色・模様など「モノのデザイン」)に優れているということです。
ペルシャ絨毯に表現している意匠にはイラン人の美意識が反映されています。そこには彼らの思想、宗教的世界観、希望・願望が込められているのだと思います。なかには文様以外にも表面的に見えない神秘的な意味が隠されているのかもしれません。
ペルシャ絨毯には、華やかで柔らかな曲線を持つ具象的な植物文様が多くありますが、これはイラン人の詩的で叙情性に富む民族性によるところが大きいと思われます。この曲線的な花柄や蔓草を織るのは大変技術のいる難しいものになります。3,000年以上の歴史を持つとも言われるペルシャ絨毯は持つことで、ただ美しいだけでなく、モノの見方や価値観を変えてくれる存在なのです。
なぜペルシャ絨毯との出会いで人生が変わるのか
ペルシャ絨毯には、イラン人の思想、宗教的世界観、希望・願望が込められているとお伝えしましたが、それを一言でいうと「イスラームの世界観」になります。イスラームという言葉には「道、教え」などの意味が含まれていて、日本語でいう「イスラム教、イスラーム教」と呼んでも間違いではありません。
イスラームの信仰として「心を無にして信じるところに信心の真髄がある」と言われています。たくさんの決め事があり厳しいと言われるイスラームですが、信じて取り組むことで楽園(天国)が約束されているのです。そのイスラームの表現としてペルシャ絨毯の文様で表されると素直に受け入れることが出来そうな気がします。
ペルシャ絨毯の文様・デザインを見てみましょう。図像表現に代わる装飾文様の発達がイスラーム芸術の特徴です。
◆絨毯の意匠として主要な3つ
【楽園】
イスラームでは、敬虔な人間に対し、楽園に永遠に住むことになると約束しています。楽園を再現したものを、現世に作り出そうとしているのです。草花や樹木、水を象徴するものがよく見られます。
【アラベスク】
草花文様が反復的・連続的に展開されるパターン。神の無限性を象徴しています。
【ミヒラーブ(メヘラーブ)】
モスクの礼拝堂を表す文様で礼拝用の絨毯になります。
このようにペルシャ絨毯にはイスラームが表現されているのです。
日本人にはあまり感覚として持っていないように思うのですが、強い信仰心が絨毯全体から伝わってくるのを感じるはずです。ペルシャ絨毯からイスラームという異文化を背景に感じる事ができるため、新しい世界が見えてくるのではないでしょうか。新しい世界が自分の中で広がることにより、今までの生活が少し変わります。なぜなら価値観やモノの見方が変わるからです。人生には必ずしも大きな変化だけではなく、日常の小さな変化から生き方が暮らし方が変わるように思います。
ペルシャ絨毯の楽しみ方
ペルシャ絨毯には一目見ただけで他のものにはない奥深さを感じられます。絨毯から広がる世界を堪能することがペルシャ絨毯の楽しみ方ではないでしょうか。
リビングに大きいサイズはうっとりするような世界に自然と連れていかれるようで本当に素敵です。ペルシャ絨毯は敷居が高いと思われる方は、まずは玄関サイズやランナーサイズなど、小さめのものから取り入れても。取り入れることでペルシャ絨毯との暮らしが始まるのですから世界の見え方が違ってきます。ワクワクしますね。
暮らし、そして生き方が変わる新しい世界をペルシャ絨毯で広げましょう!