こんにちは。
毎年ボー・デコールでは林業研修をしています。今月再び森に行ってきましたので、その様子をブログでご紹介いたします。
この日は24℃くらいとちょうどいい気候。
今回は、経験者だけでの参加でしたが、改めて安全に作業をすすめていけるよう農林公社の方にご説明をいただきます。
森での作業は危険が伴います。刃物を使いますし、急斜面であり滑る危険もあります。熊も身近な存在で、いろんなことに気をつけて作業を行わなくてはなりません。
今回の研修は、6月初旬。
毎年の春よりも少し遅めに伺いましたので、梅雨入りに近く、杉の樹皮は剥けやすくなっているとのことでした。ですので作業は枝打ち(余分な枝を切る作業)はあまりせず、主に間伐のための倒木などを行いました。
普段お手入れをしている場所よりも少し奥に進んで作業をしていきます。
樹齢15年ほどの木というのは変わらないのですが、未開の地に進んでいくごとに、日の当たる場所が限られているからか、周りの木の太さが徐々に細くなっていきます。
日当たりや環境で成長も大きく変わるのを目の当たりにしました。
日が当たり、風通しのいい普段からお手入れが行き届く平地に近い場所と、斜面で日陰の多い場所では年輪の太さが約1/2くらいに感じるほどです。
今、ボー・デコールで扱う国産家具は樹齢20~30年の木を製材してあります。密が細かく強度のある木が育まれるのに、長い年月がかかっているのをより実感しました。
そして、今回新たな出来事がありました。
杉の樹皮が熊によって剥かれてしまう「クマ剥ぎ」が多数見つかりました。
クマ剥ぎにあった木は、キズものになり価値が下がってしまうこともあります。また、全面剝がされてしまうとなかなか元通りに戻れず、木が腐って枯れてしまいます。実際、そのようになっている木もありました。
午後、杉の木が熊に狙われないように紐を巻いて対策を。
後ろに見えるのがクマ剥ぎの跡です。熊も生きるために必死なのですね。
クマ剥ぎにあって枯れてしまった高さ30mほどの大きな木をチェーンソーの達人であるスタッフさんが颯爽にカットしてくださいました。ものの5分かからず木が丸太に。
今年は特にクマ剥ぎの被害が多く、農林公社のスタッフさんもとても残念がっていて、私たちも同じように悲しかったです。年に2回少しずつ手入れをしながら大切にしていた森、熊たちも生き残るためにやっていることとは承知していますが、どうにかやめてほしいものです。
こういった自然の中に暮らす野生動物とも、どう共存するかも考えさせられます。
間伐をした森のなか、光が入り植物の生長を助けます。
林業は続けていくことが大切だと、強く感じました。
そうでなければこの森は枯れ、荒れ果ててしまいます。クマ剥ぎの件もあり、森の成長を見守っていく責任を今回はより感じました。
最後に記念撮影を行いました。
外で食べるお弁当は爽快で美味しかったです。
お昼休憩のあとの景色。
展望台からは赤崎山とダムを一望できます。
私たちの扱う家具に使う木はもちろんですが、最近猛暑で電力不足、これから水不足になる可能性も言われている中で、私たちの身の回りの水も貴重な資源だと感じました。
爪楊枝一本も、家具1つもすべて地球で育った木。
何を購入して使うかは個人の自由ですが、そのものが作られた過程であるトレーサビリティを知って選ぶことも大切だと思います。
環境に配慮をした生産履歴を追ったものなど、地球のために…住んでいる新潟のために。
選び方もこだわっていきたいと今回の林業研修を通じて思いました。
前回までの林業研修レポートのアーカイブです。
是非ご覧になってみてください。