【夏こそウールの手織りじゅうたん】4回目になります。
今回ご紹介するのは、ウールじゅうたんが夏でも心地よい肌触りの理由についてご紹介させていただきます。
目次
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- どんな「羊毛」を使っている?
- 心地よさの秘密は丁寧な作業
- まとめ
どんな「羊毛」を使っている?
アートギャッベに使われているのは羊の毛です。
これは「羊毛」(ようもう)と言われています。
羊毛の中でも「厳選された上質な羊毛」を使用しております。
羊は、年に2回毛を刈り取ります。
春に刈るのが「冬毛」。秋に刈るのが「夏毛」になります。
アートギャッベでは春に刈り取った毛=「冬毛」を使用しています。
「冬毛」は、0℃以下の厳しい冬を乗り越えるために保温性が高く、キメが細かく滑らかな肌触りをしているのが特徴で、「夏毛」に比べて匂いも少ないのです。
「夏毛」は、夏の強い日射しでダメージを受け毛質もゴワッとしており、40℃以上の気温で汗をかき臭いも染みつき、特有の獣臭もします。
さらに羊の品種も上質さに関係してきます。
高地に育つ羊は、平地に育つ羊よりも毛質が直毛でコシがあるため、踏むと弾力があり足触りもいいのです。
「羊毛」と一言で言うと大きな違いは無さそうに感じますが、いつ刈り取った毛なのか、どんな羊の毛を使用するのかでも大きな違いが出てくるのです。
アートギャッベには、高地で育った羊の「冬毛」から更に厳選されたものが使われているのです。
心地よさの秘密は丁寧な手作業
厳選された上質な羊毛を、次は、人の手で丁寧に長い時間をかけてアートギャッベに織り上げられます。
数多くの工程を経てじゅうたんは出来上がりますが、どれも人の手で行われます。
糸を紡ぐのも機械ではありません。たっぷりと脂分のある糸は手作業でないと紡ぐことができません。
機械ではすぐに絡まってしまうからです。
次は「染色」(羊毛に色を入れていく工程)です。
アートギャッベに使われるのは草木染の羊毛です。
染色は写真のような大きな釜でグツグツと何時間も煮込んで、色を入れて行くというとても大変な工程です。
分量として1kgの羊毛を染めるのに対して、1kgの染料が必要となります。
それ以上の比率の染料を使っても1度では深い色には染まりません。
深い色を染め上げて行くのには、染めては乾燥させ、また染めて、何十時間と掛かるのです。
一般的に羊毛を染色する際は、油分を落としてから色を入れていきます。
なぜなら脂分があると染まりにくいからです。
アートギャッベでは保湿成分でもある「ラノリン」という脂分はそのまま残して染めていきます。
脂分を抜いてしまうと、染色しやすくなり工程としては短時間で簡単になりますが、じゅうたんが出来上がった際の肌触りは、キューティクルが無く痛みもあり良いとは言えません。
大事なラノリンがしっかりと残っている事で、アートギャッベはしっとりとして夏場でもサラッとした肌触りになるのです。
こうして出来上がった糸を使って「織り上げて」いきます。
女性の方がひと結び、ひと結びと丁寧に、力強く織り上げていきます。
写真のようなじゅうたんの大きなサイズであれば3人掛かりで織って行くのですが、それでも1枚を織り上げるのには半年以上の時間が掛かります。
一列結ぶと横糸で締め、また結ぶ。
この作業を密に詰め隙間なく繰り返し行います。
そうして織り上がったじゅうたんは、足で踏んだ時、座った時に底つき感を感じないので気持ち良くお使いいただく事が出来ます。
心地よさの秘密は人の手による丁寧な作業にあるのです。
いかがでしたでしょうか?
私たちもご案内の際には「1年中気持ち良くお使いいただけます」「特に夏はサラッと気持ちいいです」とお伝えさせていただいておりますが、百聞は一見に如かず。
是非お店で体感・実感して頂きたいですね。
まとめ
playlist_add_check 夏こそウールじゅうたんの理由
厳選された上質な羊毛だけを使っている
丁寧な手作業だからこそ、素材を生かした素晴らしい仕上がりになる
次回は、特集【夏こそウールの手織りじゅうたん vol.5】お手入れ簡単なウールじゅうたん、についてお伝えさせていただきます。
是非チェックしてみてください♪