こんにちは。
ちょうど昨年の今頃、私はイランへアートギャッベ含め、歴史ある絨毯の勉強のため、イランへ行っていました!
その際に、アートギャッベの最後の仕上げを行っている職人さんたちを訪ねてきました。
織り子さんが織り上げたアートギャッベが一か所に集められる場所です。
本日は、そこで見てきたアートギャッベができるまでの過程をご紹介いたします。
長くなりますが、最後までお付き合いいただけると幸いです…(^O^)/
羊を育てる
遊牧民たちは、羊を1家族50~60頭飼っています。
羊たちは大切に育てられていて、たまに体を洗い、放牧させています。
これは、お父さんやお兄さんのお仕事です。
刈り取った羊の毛を糸にする
刈り取った羊毛は、女性が手紡ぎで糸にしていきます。
糸を細くするほど大変で、根気のいる作業です。
実は、羊一頭からこれだけの量の毛が取れます。
が、糸になると量は毛糸玉一個分くらいに小さくなります。
織る
これも女性がすることです。
織るデザインは全て自由なまるでアート作品!
楽しく織ることをモットーに、織継がれてきた伝統的な意味のこもった文様を入れ込んだり、ユニークでいまどきなデザインも織り込んだり…
一点もので、見ているだけで飽きません。
織るスピードは見失うほど早く、さすが織り子さんです!
そして・・・
ギャッベが完成!
織り子さんにとって、長い年月をかけて織りあがったアートギャッベは宝物です。
ちょうど見に行ったときに完成したのですが、織りあがったときには拍手喝采が起こりました。
織り子さん、長い間お疲れ様でした!
それからアートギャッベは遥々イランの中のお手入れ工場へと運ばれて行きます…
バーナーで裏を焼く
織りあがったアートギャッベは裏側をバーナーで焼かれます。
これは羊の毛の防炎作用も働いて、全然燃えず、焦げるような感覚です。
なぜこれをするかと言いますと、羊毛は熱を加えることで毛と毛が凝縮してへたりずらくなるからなのです。
毛足をカットする
織りあがったギャッベを均等な毛足の長さに刈りそろえます。
洗う
ゴシゴシとブラシを使い、洗っていきます.
こんなに強い力で洗って大丈夫なの?と心配になりそうですが、全然問題ありません!
むしろ、こうやって思いっきり洗うことにより織った時に中に入る余分な毛やホコリを洗い流してくれるそう。
こんなに丈夫だと、安心ですね。
脱水する
くるくると丸めて…
大きな脱水機の中に入れ、数時間…
余分な水を抜いていきます!
太陽の下で干す
イランの灼熱の太陽の上で天日干しします。気温は約40℃。
夏は半日で乾きますが、冬には2日間ほど干すのだそう。
湿度もなく、雨も降らないので自然の空気と太陽にギャッベもリフレッシュしている模様。
釘を打つ
洗う際、水を通して若干歪みが出ることがあり、それを直すために、縁に釘を打って押さえつけて矯正していきます。
慣れた手つきで職人さんたちが釘を素早く打っていて、あまりの速さに衝撃を受けました!!
アートギャッベは、全てにこの釘打ち作業を施してあります。
この作業を欠かさず行うことで、端が捲れづらくなるのです。
毛足を刈る(2回目)
もう一度きれいに水平に刈り込みます。
力と集中力が肝心な作業ですね。
手間を惜しまず、2度も刈り込みをするところ、大変すばらしいです。
肌触りの良さにも磨きがかかります✦✦
最後の仕上げを入念に・・・
細かな毛の剃り残しや悪いところがないかなどのチェックをします。
丁寧に直していきます。品質にもこだわっている丁寧な仕事を見ることができました。
そして最後に…
選定タイム!!
お待たせしました、選定です。
アートギャッベの選定人がたくさんのギャッベの中から心に響いたものだけを選び抜き、日本へやってきます。
たくさん積まれたギャッベはどれもすてきでした。
その中から限られたものだけを選ぶ目利き力は私にはなかなか難しいようです。
最後に・・・
このように、手間を惜しまず作り上げられた手仕事のじゅうたんだからこそ、見ていて感動したり、記憶に残る素晴らしいものになるのでしょうね。
只今、ボー・デコールのじゅうたんコーナーでは気分を変えて畳に合わせたアートギャッベをお楽しみいただけます。
ぜひ、みなさまのご来店お待ちしております☺
7/29-8/20 カッティングボード展開催中
インテリアショップ ボー・デコール
新潟市秋葉区新津4462-3
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