こんにちは。
好評開催中のルリバフト展、見れば見るほど虜になる絨毯です。
その歴史は深く、皆さんがよく知るペルシャ絨毯の原型になった絨毯とも言われています。
絨毯を見ているとお客様から「ペルシャ絨毯みたい」と言われることもありますが、ペルシャ絨毯と雰囲気は似ていてもまったく異なる点は、この独特の風合い。
同じ赤でも薄いところもあれば、濃い部分もありますよね。
アブラッシュといわれるこの色ムラは、見る人の想像力を膨らませ、様々な表情を見せてくれます。
設計図を見ながら織り上げるペルシャ絨毯にはこのアブラッシュは厳禁で、均一な色が求められるので、こういった素朴な風合いにはならないのです。ここがペルシャ絨毯との大きな違い。
このルリバフトという絨毯には、ペルシャ絨毯のような繊細な文様と、アートギャッベの色合いの豊かさ両方を合わせ持つ魅力があるのですね。
見とれるほど美しい細かな織りと、柔らかく優しい色合い。
それはどこから生まれたのでしょうか。
それはイランの歴史に深くかかわっていました。
今日はそんなイランの歴史を少しご紹介させていただきます。
私たちが年に数回、現地イランに買い付けの旅に出ることはみなさんご存じだと思いますが、
その際にただ買い付けだけしてくるのではなく、イランの歴史を学んだり、歴史的な遺跡を見たりします。
その中でスタッフが口々に特に印象的だったという場所があります。
そこにイランの歴史が詰まっていました。
それがこちら。
イスファハーンにある世界遺産「イマーム広場」です。
かつて「イランの真珠」や「世界の半分がそこにある」と言われたイスラム建築の頂点とも言われている場所です。
ここはイスラム教の礼拝堂モスク。
たくさんの人がお祈りにやってくる場所です。
驚くのはその中に入ったとき。
目がくらむほど壮大で美しい装飾。
なんと表現していいか分からないほど圧倒的な美しさを放っていました。
日本人の手作業の細かさもさることながら、この緻密さは見たことがないくらいすごいものがありました。
なぜ、このようなデザインになったのか?
それにはイスラム教が深く関わっているのですが、イスラム教では偶像崇拝が禁止されているため、銅像や彫刻が発展することがなく、代わりに抽象的で幾何学的なアラベスク模様が特徴の芸術が発展したそうです。
アラベスク模様とはツルや草のこと。
日本いう唐草模様のことです。
こんな柄の風呂敷みたことありますよね。
ツルが四方に伸びて繁栄していく、命がつながっていく。そんな意味が込められています。
国は違えど、同じような意味が込められているんですね。
また、イランは雨が少なく、作物を育てるには厳しい環境にあります。
厳しい環境でも草花や作物が育ちますようにと、絨毯などに願いを織り込んでいったのだと言われています。
その地の気候や風習など、様々な歴史が重なって今のこの絨毯が出来上がっていったと考えると、また更に価値が増すような気がしますね。
近くて見て触れて感じることのできる素晴らしい絨毯、是非この機会に見にいらしてください。
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